介護が必要な状態の高齢者に、介護を通じて出来るかぎり自立性を取戻してもらう新しい介護です。
事例
脳梗塞を発症していた86歳の女性が、自立支援介護により6ヶ月で劇的に改善しています。
事例 : 右不全麻痺 ⇒ 自立へ
Before

- 要介護認定 : 5
- 右不全麻痺
- 意思疎通不可
- 経管栄養(胃ろう)
- 全介助(ねたきり状態と診断)、おむつ使用
After

- 要介護認定 : 3
- 排泄は全てトイレで
- 食事は毎食常食摂取
- 歩行は歩行器歩行
古いタイプの介護(三大介護)
日本では長い間以下の3つの介護の方法が「三大介護」といわれ、ねたきりの高齢者に行われてきました。
- おむつ交換
- 食事介助
- 入浴介助
古いタイプの介護の弊害
全体

個人

自立支援の主な目標
- トイレでの排泄(排泄の自立)
- 歩行の自立
- 食事の自立(普通食を口から食べる)
- 洗面・着替・入浴等の自立
- 認知症の症状を改善・治療

自立支援介護の成果
自立支援介護を実践している施設では、以下のような経営の改善が確認されております。
- 入居者様が元気になることで、口コミ等で地域における評判が上がり、施設全体の集客力が向上
- 入居者様の機能改善により、肺炎や骨折による入院が減少し、ベッド稼働率が向上
- 入居者様の排泄の自立により、オムツが不要となり、年間数百万円の経費が削減
- 介護の力で入居者様を元気にできるため、現場スタッフのモチベーションが高い
自立支援介護を構成する4つの基本ケア
① 水分ケア

- 細胞の活性化
- 意識レベルの向上
- 身体の活動性向上
十分に水分を補給することにより、細胞が活性化し、意識レベルが向上します。
また神経や筋肉の働きも活性化することで、全身の活動性も向上します。
② 運動と歩行

- 自由に出かけられる
- ADL自立の基礎
- 体調改善
運動学習理論に基づき、歩けない人にも歩行練習をおこないます。歩けるようになればどこにも行けます。
トイレへの移動など他のADL自立の基礎となります。起立大腸反射による腸への刺激や、心肺機能への刺激によって体調が改善します。
③ 栄養

- 栄養⇒活動力
- 生活の楽しみ
- 家族との団欒
十分な栄養を摂取することで、活動力が向上します。
また、食事は生活上の楽しみでもあるため、自立して家族と同じ食事ができることは、家族団欒につながります
④ 便通

- 体調改善
- 免疫力向上
- 良好な気分
排便の自立は、腸機能の回復と密接な関係があります。
便通が改善することにより、体調改善、免疫力アップ、良好な気分をもたらします。
※詳細は 日本自立支援介護・パワーリハ学会のホームページをご覧ください
日本自立支援介護・パワーリハ学会へ